図面・測定の基礎

機械図面の記号一覧【寸法補助記号・幾何公差記号を図解で解説】

2026年7月13日·読了 3分
機械図面(ブループリント)のイメージ

機械図面は「記号の言語」で成り立っています。寸法補助記号で形を素早く伝え、幾何公差記号で形状・姿勢・位置の許容を厳密に指定します。記号を正しく読めれば、図面 1 枚から加工・検査の要点がつかめます。この記事では、よく使う寸法補助記号・幾何公差記号・データム・公差記入枠の読み方を図解でまとめます。

寸法補助記号(一覧)

図面でよく使う寸法補助記号の一覧

図1 — よく使う寸法補助記号。 数値の前後に付けて、形や意味を簡潔に伝えます。

  • φ(まる/ファイ)=直径、R=半径、SR=球の半径。
  • C=45°面取り(例 C2)、□=正方形の辺、t=板厚(例 t3.2)。
  • ⌴=ザグリ(座ぐり)、⌵=皿ザグリ、↧=深さ(例 ⌀8 ↧10)。
  • M=メートルねじ(例 M8)。

幾何公差記号

寸法だけでは表せない「形状・姿勢・位置・振れ」の許容を指定します。

分類 記号の例 意味
形状 真直度・平面度・真円度・円筒度 単独形体の形の狂い
輪郭 線の輪郭度・面の輪郭度 曲面・輪郭の狂い
姿勢 平行度・直角度・傾斜度 データムに対する向き
位置 位置度・同軸度・対称度 データムに対する位置
振れ 円周振れ・全振れ 回転させたときの振れ

指定がない形状の狂いには、普通幾何公差(JIS B 0419)が適用されます。

データム(基準)

幾何公差の「基準」となる面・軸・点を データムと呼び、A・B・C などの記号で示します。姿勢・位置・振れの公差は、必ずどのデータムを基準にするかとセットで読みます。

公差記入枠(フィーチャコントロールフレーム)の読み方

枠は左から順に「記号|公差値|データム」で読みます。 例:⟂ | 0.02 | A → 「データム A に対して直角度 0.02mm 以内」。 ⌖ | φ0.1 Ⓜ | A B C のように、材料最大条件(Ⓜ)やデータムの優先順位が付くこともあります。

表面性状記号

面の粗さは別記号(チェック形)で指定します。Ra 1.6 のように Ra 値を付け、加工方法や筋目方向も添えられます。詳しくは表面粗さの記事を参照してください。

よくある間違い

  • φ と R の取り違え(直径か半径か)。
  • 幾何公差をデータム抜きで読む(姿勢・位置・振れは基準が必須)。
  • C 面取りと R 角R の混同。
  • 記入枠の並び(記号→公差→データム)を逆に読む。

よくある質問(FAQ)

Q. φ と ⌀ は同じ? A. どちらも直径を表します。フォントで見た目が違うだけです。

Q. 幾何公差は必ずデータムが要る? A. 形状公差(真直度・平面度など)は不要ですが、姿勢・位置・振れはデータムが必要です。

Q. Ⓜ(○の中に M)は何? A. 最大実体公差方式。部品が最大実体寸法のときの追加公差を許す指定です。

Q. 面取り C と R の違いは? A. C は 45°の直線面取り、R は角の丸み(円弧)です。

Q. 指定のない形状精度は? A. 普通幾何公差(JIS B 0419、等級 H/K/L)が適用されます。

まとめ

図面の記号は「寸法補助記号で形を、幾何公差記号で許容を」伝える言語。記入枠は「記号→公差値→データム」の順で読み、データムとセットで理解するのが要点です。記号を読めれば、加工と検査の勘所が一目でわかります。

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