機械図面の記号一覧【寸法補助記号・幾何公差記号を図解で解説】

機械図面は「記号の言語」で成り立っています。寸法補助記号で形を素早く伝え、幾何公差記号で形状・姿勢・位置の許容を厳密に指定します。記号を正しく読めれば、図面 1 枚から加工・検査の要点がつかめます。この記事では、よく使う寸法補助記号・幾何公差記号・データム・公差記入枠の読み方を図解でまとめます。
寸法補助記号(一覧)
図1 — よく使う寸法補助記号。 数値の前後に付けて、形や意味を簡潔に伝えます。
φ(まる/ファイ)=直径、R=半径、SR=球の半径。C=45°面取り(例C2)、□=正方形の辺、t=板厚(例t3.2)。⌴=ザグリ(座ぐり)、⌵=皿ザグリ、↧=深さ(例⌀8 ↧10)。M=メートルねじ(例M8)。
幾何公差記号
寸法だけでは表せない「形状・姿勢・位置・振れ」の許容を指定します。
| 分類 | 記号の例 | 意味 |
|---|---|---|
| 形状 | 真直度・平面度・真円度・円筒度 | 単独形体の形の狂い |
| 輪郭 | 線の輪郭度・面の輪郭度 | 曲面・輪郭の狂い |
| 姿勢 | 平行度・直角度・傾斜度 | データムに対する向き |
| 位置 | 位置度・同軸度・対称度 | データムに対する位置 |
| 振れ | 円周振れ・全振れ | 回転させたときの振れ |
指定がない形状の狂いには、普通幾何公差(JIS B 0419)が適用されます。
データム(基準)
幾何公差の「基準」となる面・軸・点を データムと呼び、A・B・C などの記号で示します。姿勢・位置・振れの公差は、必ずどのデータムを基準にするかとセットで読みます。
公差記入枠(フィーチャコントロールフレーム)の読み方
枠は左から順に「記号|公差値|データム」で読みます。
例:⟂ | 0.02 | A → 「データム A に対して直角度 0.02mm 以内」。
⌖ | φ0.1 Ⓜ | A B C のように、材料最大条件(Ⓜ)やデータムの優先順位が付くこともあります。
表面性状記号
面の粗さは別記号(チェック形)で指定します。Ra 1.6 のように Ra 値を付け、加工方法や筋目方向も添えられます。詳しくは表面粗さの記事を参照してください。
よくある間違い
φとRの取り違え(直径か半径か)。- 幾何公差をデータム抜きで読む(姿勢・位置・振れは基準が必須)。
C面取りとR角R の混同。- 記入枠の並び(記号→公差→データム)を逆に読む。
よくある質問(FAQ)
Q. φ と ⌀ は同じ? A. どちらも直径を表します。フォントで見た目が違うだけです。
Q. 幾何公差は必ずデータムが要る? A. 形状公差(真直度・平面度など)は不要ですが、姿勢・位置・振れはデータムが必要です。
Q. Ⓜ(○の中に M)は何? A. 最大実体公差方式。部品が最大実体寸法のときの追加公差を許す指定です。
Q. 面取り C と R の違いは?
A. C は 45°の直線面取り、R は角の丸み(円弧)です。
Q. 指定のない形状精度は? A. 普通幾何公差(JIS B 0419、等級 H/K/L)が適用されます。
まとめ
図面の記号は「寸法補助記号で形を、幾何公差記号で許容を」伝える言語。記入枠は「記号→公差値→データム」の順で読み、データムとセットで理解するのが要点です。記号を読めれば、加工と検査の勘所が一目でわかります。
Sontis Management は、図面・加工条件・検査基準を材料や見積・受注と一元管理できます。無料プランで今すぐ試せます。

