図面・測定の基礎

表面粗さとは【Ra・Rz の違いと三角記号・記号の読み方を図解】

2026年7月12日·読了 3分
加工された金属表面のイメージ

「表面粗さ」は、加工した面の微細な凹凸の大きさを数値で表したものです。機能(摺動・シール・はめあい・外観)に直結し、粗さを厳しくするほど加工費が上がるため、必要な面だけ適切な粗さを指定するのが実務の基本です。この記事では Ra と Rz の違い、旧三角記号との対応、記号の読み方、加工方法別の目安までを図解でまとめます。

Ra と Rz の違い

表面性状記号の各部と Ra の考え方

図1 — Ra は「平均線からの差の算術平均」。 断面曲線を基準(平均線)からどれだけ外れているかで表します。

  • Ra(算術平均粗さ):平均線からの高さの絶対値を平均した値。最も一般的で、傷の影響を受けにくく安定。
  • Rz(最大高さ粗さ):基準長さ内の最も高い山と最も深い谷の差。単発のキズ・打痕に敏感。
  • 使い分け:全体の質感は Ra、シール面など「一番深い谷」が効く用途は Rz を併記します。

三角記号(旧JIS)と Ra のおおよその対応

古い図面では逆三角形(▽)で粗さを表しました。現行の数値指定とのおおよその対応は次の通りです(Ra と Rz は厳密には換算できない目安)。

旧記号 仕上げの程度 Ra 相当 (μm) Rz 相当 (μm)
▽(1つ) 荒仕上げ 25 100
▽▽ 中仕上げ 6.3 25
▽▽▽ 上仕上げ 1.6 6.3
▽▽▽▽ 精密仕上げ 0.2 0.8
〜(波記号) 除去加工しない — —

Ra の代表値は 0.05・0.1・0.2・0.4・0.8・1.6・3.2・6.3・12.5・25μm(R10 系列)です。

表面性状記号の読み方

記号(チェック形)に情報を付けて指定します。

  • 記号の上/横の数値:Ra 値(例 Ra 1.6)。上限・下限を書く場合もある。
  • 加工方法:横線の上に「旋削」「研削」などを記載。
  • 筋目方向記号:=(平行)⟂(直角)X(交差)M(多方向)C(同心円)R(放射状)。
  • 面全体に同じ指定なら図面の右上などに一括指示。

加工方法別の標準的な Ra(目安)

加工方法 Ra の目安 (μm)
ドリル 6.3〜12.5
旋削・フライス(一般) 1.6〜6.3
リーマ仕上げ 0.8〜1.6
研削 0.2〜0.8
ラップ・超仕上げ 0.05〜0.2

※ 工具・条件で変わる目安。粗さを 1 段厳しくすると工程・コストが増えます。

指定のコツ・よくある間違い

  • 機能から決める:摺動面・シール面だけ厳しく、非機能面は緩く。
  • Ra と Rz を混同しない(片方だけで判断しない)。
  • 数値だけで筋目方向を指定し忘れる(摺動方向と筋目が重要な場合がある)。
  • 「とりあえず全部 Ra 0.8」でコストを上げる。

よくある質問(FAQ)

Q. Ra と Rz、どちらを指定すべき? A. 一般面は Ra。深い谷が漏れ・応力集中に効くシール面などは Rz を併記します。

Q. ▽▽▽ は Ra いくつ? A. おおよそ Ra 1.6μm(Rz 6.3μm 相当)です。厳密な換算ではない点に注意。

Q. 研削なしで Ra 0.2 は出せる? A. 一般に難しく、研削やラップなどの仕上げ工程が必要です。加工方法と粗さは整合させます。

Q. 面粗さは何で測る? A. 触針式の表面粗さ計が一般的。簡易には粗さ標準片との比較でも判断します。

Q. Ra を小さくするほど良い? A. いいえ。必要以上の平滑化はコスト増。機能に必要な範囲で指定します。

まとめ

表面粗さは Ra(平均的な質感)と Rz(最悪の谷)を機能に応じて使い分け、加工方法と整合させて指定するのが基本。旧図面の▽記号は Ra 相当に読み替え、必要な面だけ適切に指定してコストと品質を両立させましょう。

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