図面・測定の基礎
機械加工の公差表とは【普通公差・はめあい・IT等級を図解】
2026年7月14日·読了 3分

「公差」は、図面で指定した寸法に対して許される寸法のばらつき(最大許容寸法と最小許容寸法の差)のことです。加工現場では、この公差を守れるかどうかが品質と検査の基準になります。この記事では、普通公差・はめあい・IT等級・図面での読み方までまとめます。
公差の基礎用語
- 基準寸法:図面に記載された基準となる寸法
- 上の許容差 / 下の許容差:基準寸法からのプラス側・マイナス側の許容量
- 公差:上の許容差 −(下の許容差)= 許容されるばらつきの幅
- 例:
φ20 +0.02 / −0.01→ 最大 20.02、最小 19.99、公差 0.03
普通公差(JIS B 0405・面取りを除く長さ寸法)
個々に公差を指定しない寸法に一括で適用される許容差です。
| 基準寸法の区分 (mm) | 精級 f | 中級 m | 粗級 c |
|---|---|---|---|
| 0.5〜3 | ±0.05 | ±0.1 | ±0.2 |
| 3〜6 | ±0.05 | ±0.1 | ±0.3 |
| 6〜30 | ±0.1 | ±0.2 | ±0.5 |
| 30〜120 | ±0.15 | ±0.3 | ±0.8 |
| 120〜400 | ±0.2 | ±0.5 | ±1.2 |
| 400〜1000 | ±0.3 | ±0.8 | ±2.0 |
※ 代表値。正確な値は必ず JIS 規格をご確認ください。
はめあい(穴と軸の組み合わせ)
穴と軸の寸法差で「すきま/しまり」が決まります。
| 種類 | 状態 | 用途 |
|---|---|---|
| すきまばめ | 必ずすきまがある | 滑らかに動く軸 |
| 中間ばめ | すきま or しまり | 位置決め・軽圧入 |
| しまりばめ | 必ずしめしろ | 固定・圧入 |
- 穴基準(H):穴を基準にして軸で調整(一般的)
- 軸基準(h):軸を基準にして穴で調整
- 常用例:H7/g6(すきま)、H7/k6(中間)、H7/p6(しまり)
IT等級(公差の等級)
IT01〜IT18 まであり、数字が小さいほど高精度(公差が小さい)。加工方法で狙える等級の目安があります(研削は精、旋盤・フライスは中程度など)。
図面での公差の読み方
- ±表記:
50±0.1→ 49.9〜50.1 - 上下別表記:
φ20 +0.02 / 0→ 20.00〜20.02 - はめあい記号:
φ20 H7→ 穴の公差域クラス H7 - 公差の指定がない寸法は普通公差が適用される
よくある間違い
- 普通公差の存在を忘れ「公差なし=自由」と誤解する
- 穴基準と軸基準を取り違える
- IT等級と加工方法が合っていない(研削前提の公差を旋盤で狙うなど)
よくある質問(FAQ)
Q. 公差が書いていない寸法はどうする? A. 図面指定の普通公差(JIS B 0405 の等級)が適用されます。表題欄を確認しましょう。
Q. H7 と g6 の意味は? A. アルファベットが公差域の位置、数字が IT等級(公差の大きさ)です。大文字は穴、小文字は軸。
Q. 公差はきつくすればするほど良い? A. いいえ。公差を厳しくするほどコストが上がります。機能に必要な範囲で指定するのが基本です。
まとめ
公差は「どこまでのばらつきを許すか」の約束事。普通公差で全体を押さえ、機能上重要な箇所だけ個別公差やはめあいで指定するのが基本です。
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