図面・測定の基礎
測定の誤差と校正の基礎【正確に測るための考え方を図解】
2026年6月30日·読了 3分

「測った値」は必ず誤差を含みます。誤差の種類と原因を理解し、校正で測定器の正しさを保てば、検査の信頼性が上がります。この記事では、系統誤差と偶然誤差の違い・主な誤差の原因・校正とトレーサビリティ・正確に測るコツを図解でまとめます。
誤差の2種類
図1 — 片寄りとばらつき。
- 系統誤差:いつも一定方向に片寄る誤差(ゼロ点ずれ・温度・器差など)。校正で補正できる。
- 偶然誤差:測るたびにばらつく誤差(読み取り・振動など)。複数回測って平均すると減らせる。
的の中心=真値。系統誤差は「中心からずれて固まる」、偶然誤差は「中心の周りに散らばる」イメージです。
主な誤差の原因
- アッベの誤差:測定軸と目盛軸が一直線でないと生じる(ノギスは出やすい/マイクロメーターは満たす)。
- 温度:基準は 20℃。材料や測定器が伸縮するとμm単位でずれる。素手で長く握らない。
- 測定力:強く挟むと小さめに出る。ラチェット・定圧で一定に。
- 視差:斜めから読むとずれる。真正面から読む。
- 器差:測定器そのものの持つ誤差。校正で把握・補正する。
校正とトレーサビリティ
- 校正:測定器の指示を、より正確な基準器(ゲージブロックなど)と比較して正しさを確認・調整すること。
- トレーサビリティ:基準が国家標準まで途切れず繋がっていること。これで測定値の信頼が担保されます。
- 定期校正:使用頻度・重要度に応じて周期を決め、記録を残す。落下・異常時は臨時校正。
正確に測るコツ
- 使用前にゼロ点を確認。
- **20℃**になじませ、素手の長時間接触を避ける。
- 一定の測定力(ラチェット/定圧)で測る。
- 真正面から読む(視差回避)。
- 重要寸法は複数回測って平均、外れ値を除く。
よくある間違い
- ゼロ点未確認で全体がずれる(系統誤差)。
- 1 回だけ測って偶然誤差に振り回される。
- 校正していない測定器を信用する。
- 温度・測定力・視差を無視して精密寸法を測る。
よくある質問(FAQ)
Q. 系統誤差と偶然誤差、対処は違う? A. 系統誤差は校正で補正、偶然誤差は複数回測定の平均で低減します。
Q. なぜ 20℃基準なの? A. 材料が温度で伸縮するため、国際的に 20℃を測定の標準温度としています。
Q. 校正はどのくらいの頻度? A. 使用頻度・重要度で決めます。記録を残し、異常時は臨時校正します。
Q. ゲージブロックとは? A. 高精度な基準寸法のブロック。測定器の校正やゼロ点セットの基準に使います。
Q. アッベ誤差を避けるには? A. 測定軸と目盛軸が一直線の測定器(マイクロメーター等)を使い、ノギスは根元で測ります。
まとめ
測定値は誤差を含むもの。系統誤差は校正で補正・偶然誤差は平均で低減が基本で、温度・測定力・視差・アッベを管理し、トレーサビリティのある校正で測定器の正しさを保てば、検査の信頼性が上がります。
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