ノギスの使い方と読み方【0.05mm バーニヤ目盛を図解で解説】

ノギス(英語では vernier caliper、キャリパー)は、1本で 外径・内径・深さ・段差 を測れる、加工現場の最も基本的な測定器です。アナログ(バーニヤ)式なら 0.05mm 単位で読み取れます。この記事では、各部の名称から読み方の計算例、よくある誤差、手入れまでを一通り解説します。
ノギスの種類
用途や好みに合わせて3タイプがあります。
| 種類 | 最小読取 | 特徴 |
|---|---|---|
| バーニヤ(標準)ノギス | 0.05mm / 0.02mm | 電池不要・安価・丈夫。目盛を読む慣れが必要 |
| ダイヤルノギス | 0.01mm | 針で読むので速い。歯車部にゴミが弱点 |
| デジタルノギス | 0.01mm | 数字で一目瞭然・ゼロ点移動が簡単。電池が必要 |
初心者はデジタルが読みやすいですが、バーニヤの読み方を理解しておくと原理がわかり、電池切れでも対応できます。
各部の名称と測れるもの
- 外側ジョウ(下のあご):外径・幅・厚みを測る
- 内側ジョウ(上のくちばし):内径・溝幅を測る
- デプスバー(深さ測定バー):穴や段の深さを測る
- 段差測定面:段差(ステップ)を測る
- 本尺(主尺):mm 単位の目盛
- バーニヤ(副尺):0.05mm 単位を読み取る目盛
- 止めネジ:測定値を固定する
バーニヤ目盛の読み方(0.05mm)
バーニヤ式は「本尺 + 副尺」で読みます。手順は3ステップです。
- 本尺を読む:副尺の「0」の線が指している、手前の mm を読む
- 副尺を読む:本尺の目盛とぴったり一致した副尺の線を探し、その番号 × 0.05mm
- 足す:本尺 + 副尺 = 測定値
計算例①:本尺の 0 が「12mm と 13mm の間」にあり、副尺の 6 本目が本尺と一致 → 12 +(6 × 0.05)= 12 + 0.30 = 12.30mm
計算例②:本尺が 45mm、副尺の 13 本目が一致 → 45 +(13 × 0.05)= 45.65mm
0.02mm ノギスの場合:副尺が 50 分割されており、一致した線 × 0.02mm で読みます。例:本尺 8mm+副尺 12 本目 → 8 +(12 × 0.02)= 8.24mm
測り方(部位別のコツ)
外径・幅
外側ジョウで挟みます。ジョウの根元側で挟むのがコツ(先端は誤差が出やすい=後述のアッベの誤差)。
内径・溝幅
内側ジョウ(くちばし)を穴に入れて広げます。最大値が内径です。くちばしを穴の奥までしっかり入れて、傾けずに測ります。
深さ
デプスバーを穴の底に当て、本体の端面を基準面に密着させます。まっすぐ当てるのがポイント。
段差
段差測定面を段に当てて測ります。
よくある誤差と対策
| 誤差の原因 | 内容 | 対策 |
|---|---|---|
| アッベの誤差 | 測定線と目盛がずれると生じる。ジョウ先端で測ると大きくなる | 根元側で挟む |
| 締めすぎ | 挟む力が強いと部品や測定器がたわむ | 一定の軽い力で当てる |
| 視差 | 目盛を斜めから読むズレ | 真正面から読む |
| ゼロ点ずれ | ジョウを閉じても 0 を指さない | 使用前にゼロ点を確認 |
| 温度・ゴミ | 温度差やゴミ噛み | 測定面を拭く・温度をなじませる |
手入れ(長く正確に使うために)
- 使用後は測定面の切りくず・油を乾いた布で拭く
- 定期的にゼロ点を確認(狂っていたら調整・校正)
- 落下に注意(狂いの原因になる)
- 保管時はジョウをわずかに開けて、湿気を避ける
ノギスとマイクロメーターの使い分け
| ノギス | マイクロメーター | |
|---|---|---|
| 最小読取 | 0.05mm(0.02mm) | 0.01mm |
| 測れる範囲 | 外径・内径・深さ・段差と幅広い | 主に外径・厚み |
| 精度 | 中 | 高 |
まず全体をノギスで測り、精度が必要な寸法だけマイクロメーターで確認——これが基本の使い分けです(マイクロメーターの使い方は別記事参照)。
よくある質問(FAQ)
Q. ノギスはどこまで正確に測れますか? A. バーニヤ式で 0.05mm(または 0.02mm)が最小読取です。それより高い精度が必要ならマイクロメーターを使います。
Q. 内径を測ると小さめに出るのはなぜ? A. くちばしを穴の奥まで入れていない、または傾いている可能性があります。最大値を読むように、まっすぐ奥まで当てましょう。
Q. デジタルとバーニヤ、どちらを選ぶべき? A. 読みやすさ重視ならデジタル、電池不要で丈夫なのはバーニヤ。原理を理解するためにもバーニヤの読み方は覚えておくと安心です。
まとめ
ノギスは万能ですが、「根元で挟む・締めすぎない・ゼロ点確認・真正面から読む」の4点で精度が大きく変わります。基本を押さえれば 0.05mm まで安定して測れます。
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