図面・測定の基礎
よく使う金属材料の特徴と選び方【SUS304・A5052・S45C 比重つき】
2026年7月8日·読了 3分

材料選びは、強度・耐食性・重さ・加工性・コストのバランスで決まります。同じ形でも材料が違えば重量・価格・作りやすさが大きく変わるため、用途に合った材料を選ぶことが設計と見積の起点になります。この記事では、よく使う金属の比重・特徴・加工性・用途を一覧で比較します。
主な金属の比重
図1 — 比重(g/cm³)の目安。 アルミは鉄の約 1/3 の軽さ。重量=体積 × 比重なので、比重は見積(材料費)と直結します。
材料別の特徴・加工性・用途
| 材料 | 比重(目安) | 特徴 | 加工性 | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| SS400 | 7.85 | 一般構造用鋼・安価 | 良 | フレーム・ブラケット |
| S45C | 7.85 | 機械構造用炭素鋼・熱処理可 | 良 | シャフト・歯車 |
| SUS304 | 7.93 | 代表的ステンレス・耐食◎・非磁性 | 難(粘い) | 食品・水回り・耐食部品 |
| SUS303 | 7.93 | 快削ステンレス | 中 | 小物・ねじ物 |
| A5052 | 2.68 | 軽量・耐食・汎用アルミ | 良 | 板金・治具・カバー |
| A2017 | 2.79 | 高強度アルミ(ジュラルミン) | 良 | 強度が要る軽量部品 |
| 快削黄銅 C3604 | 8.5 | 削りやすい・導電 | 優 | 端子・バルブ・小物量産 |
※ 比重は代表値。正確な値は材料規格・メーカーデータで確認。
材料選びの考え方
- 強度が要る:S45C(熱処理)、A2017。
- 錆びさせたくない:SUS304、アルミ(アルマイト併用)。
- 軽くしたい:アルミ(A5052/A2017)。
- 大量に安く削る:快削黄銅 C3604、SUS303。
- 迷ったら「機能に必要な最低限の材料」を選ぶとコストを抑えられます。
加工性の注意
- SUS304は粘く加工硬化しやすい → 工具摩耗・熱に注意(切削条件を落とす、切れ味重視)。
- アルミは軟らかく溶着・むしれが出やすい → 鋭い刃・高速・クーラント。
- **快削材(C3604・SUS303)**は添加元素で削りやすく、量産・小物に有利。
よくある間違い
- 比重を見込まず重量・材料費を誤る。
- SUS を鉄と同じ条件で削り、工具を焼く。
- 耐食が要る部品に鉄を選んで錆びる。
- アルミに鉄用の表面処理を指定する。
よくある質問(FAQ)
Q. 一番軽い実用金属は? A. 一般的にはアルミ(比重約2.7)。さらに軽いマグネシウム(約1.74)もありますが取扱いに注意が要ります。
Q. SUS304 と SUS303 の違いは? A. 303 は快削性を高めたステンレス。削りやすい反面、耐食性は 304 がやや上です。
Q. 重量はどう計算する? A. 体積 × 比重。丸棒なら π×(D/2)²×L×比重。見積の材料費算定に使います。
Q. 強度と軽さを両立するには? A. A2017(ジュラルミン)などの高強度アルミが候補。用途で選定します。
Q. コストを下げる材料選びは? A. 過剰品質を避け、機能に必要な材料・グレードを選ぶこと。快削材で加工費も下げられます。
まとめ
金属材料は比重・強度・耐食・加工性・コストのバランスで選ぶもの。重量は体積 × 比重で見積に直結し、SUS は耐食だが粘く、アルミは軽いが溶着に注意、快削材は量産向き——用途に合う「最低限で十分な」材料を選ぶのが基本です。
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