図面・測定の基礎

シリンダーゲージの使い方【内径測定の手順・コツを図解】

2026年7月10日·読了 3分
内径測定器(測定工具)のイメージ

シリンダーゲージ(ボアゲージ)は、穴の内径を高精度に測る測定器です。ダイヤルゲージと交換式の測定子を組み合わせ、内径だけでなく真円度やテーパの確認にも使えます。ノギスやマイクロメーターでは測りにくい深い穴の内径に強いのが特徴です。この記事では手順とコツを詳しく解説します。

何を測れるか

  • 内径(穴の直径)
  • 真円度(断面が真円からどれだけずれているか)
  • テーパ(奥に向かって径が変わっていないか)

構成部品

  • ダイヤルゲージ:変位を読み取る(0.01mm など)
  • 測定子(替えロッド)+ アンビル:測る内径に合わせて交換
  • 可動測定子(ガイド):バネで押し出され、穴の中心に自動で当たる
  • 替えロッド・ワッシャ一式:測定範囲を合わせるためのセット

手順①:測定子を選ぶ

測る内径に合う長さの替えロッドとワッシャを組みます。おおよその内径(呼び寸法)に合わせて選ぶのがポイントです。

手順②:ゼロ点をセットする(最重要)

基準寸法に合わせて、ダイヤルの 0 を合わせます。方法は2つ。

  • マイクロメーターで合わせる:基準寸法にセットしたマイクロメーターに測定子を挟み、0 を合わせる
  • リングゲージで合わせる:基準内径のリングゲージに入れて 0 を合わせる(より正確)

ゼロ点がずれるとすべての測定値が狂います。ここを丁寧に。

手順③:穴に入れて首振り

  1. 測定子を穴に挿入する
  2. ゲージを軸方向・周方向にゆっくり振る(首振り)
  3. 針が動いて**反転する「折り返し点」**を探す

手順④:最小値を読む

首振りで針が反転する折り返し点=最小読みが、その方向の真の内径です(斜めに当たっていると大きく出るため、最小値が正しい)。基準寸法との差(+/−)を読み取ります。

真円度・テーパの確認

  • 同じ深さで角度を変えて複数回測る → 真円度
  • 深さを変えて測る → テーパ(入口と奥で径が違わないか)

よくある誤差と対策

原因 内容 対策
ゼロ点ずれ 基準合わせが不正確 マイクロ/リングゲージで丁寧に
首振りが速い 折り返し点を見逃す ゆっくり振る
測定子の選定ミス 範囲外・ガタ 呼び寸法に合ったロッドを選ぶ
温度・ゴミ 伸縮・異物 拭く・なじませる
摩耗 測定子先端の摩耗 定期点検・校正

手入れ

  • 使用後は測定子・ロッドを拭く
  • 落下・衝撃を避ける(ダイヤルが狂う)
  • 定期的に校正(リングゲージ等で確認)

他の内径測定器との違い

測定器 特徴
シリンダーゲージ 深い穴・真円度・テーパに強い。ゼロ点セットが必要
内側マイクロメーター 直接値が読めるが、深い穴や小径は苦手
ノギス(内側ジョウ) 手軽だが精度は中程度

よくある質問(FAQ)

Q. なぜ「最小値」が内径なの? A. 測定子が斜めに当たると実際より長く(大きく)出ます。まっすぐ当たったときが最小で、それが真の直径だからです。

Q. ゼロ点はマイクロとリングゲージ、どちらが正確? A. リングゲージのほうが正確です。より高精度が必要なときはリングゲージで合わせましょう。

Q. 小さい穴も測れますか? A. 測定範囲は替えロッドで決まります。小径には小径用のシリンダーゲージや別の内径測定器を使います。

まとめ

シリンダーゲージは「測定子選び → ゼロ点セット → 首振り → 最小値」の流れが基本。ゼロ点と首振りを丁寧にやれば、内径測定は安定します。

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